2014.3.20
今日は2年生のYちゃんのピアノレッスン。
ピアノをはじめて丸2年が経ち、音符もしっかりと読め、いろいろな曲が弾けるようになりました。
優しくて歌の上手な、みんなの憧れのお姉さん的な存在です。
今日はディズニーの「小さな世界」を聞かせてくれました。
アウフタクトで始まり、右手はどんどんポジション移動し、左手は半音階進行もあり、なかなか難しい曲です。
Yちゃんはすらすら弾けていますが、左手の動きに気をとられて右手のメロディーが十分に歌えていないようです。
前回のレッスンでメロディーをフレージング(まとまりを把握する)ところまでできていましたので、そこから更に内容を深めます。
「一番初めのフレーズの山は(音楽的に盛り上がるところ)どこかな?」
「ここ」と、Yちゃんはすぐに高いミを指さしました。
「そうね。じゃあ、このミに向かって弾いてみよう」
ミファソミド
ミが突然強くなりました。
「急に強くするとみんながびっくりしちゃうかもね。ソからミまでは何度上がっているかな」
「6度」
「そうね。6度も上がっているね。少しずつ登って行って、6度のところは高いところによいしょ、と登るように弾いてみようか」
今度はミファソで少しずつ強くなり、ソ~ミはたっぷりエネルギーを感じて弾けました。
「素敵になったね。後半のフレーズは、同じリズムが3回続いていたわね。同じように弾けばいいのかな」
「ちょっと変えたいな」
「1回目と2回目は、どちらが盛り上がるかな」
「2回目の方が音が高いから、2回目」
「そうね。じゃあ三回目は」
「もっと音がたかくなるから、もっと盛り上げたい」
「いいわね。やってみましょう」
ドードミドレレレー、レーレファレミミミー、ミーミソミファファファー
空にどんどん昇っていくような昂揚感のある演奏になりました。
Yちゃんも顔が生き生きとして、とても満足そうです。
初期のピアノの曲にはほとんどタイトル、歌詞、挿絵などがついていて、子どもたちはそこからイメージを膨らませ、演奏に結び付けていきます。
しかし、もっと曲が進むと楽譜はとてもシンプルなものになります。
ソナチネ、練習曲〇番。音符も小さく、挿絵もありません。
私も子どもの頃にはじめてソナチネを宿題に頂いたとき、大人っぽい曲を弾ける嬉しさと共に、タイトルも絵もないし、どう弾けばいいのか分からないと困惑した記憶があります。
先生には「楽譜通りに正しく弾きなさい」と言われるけど、とてもつまらなかった思い出が残っています。
「その時」が来ても不安にならず、自分の力で楽譜を読み取り、どのように弾くか考える力を付けること。
正解は一つではなく、演奏のいろいろな可能性を示してあげること。
本当の読譜力をつけることができれば、子どもたちは一生ピアノと仲良しでいられるでしょう。
そのお手伝いをしていきたいと思います。
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